苗をポットで育ててから4年後に葡萄が収穫でき、それから醸造そしてエージングと更に最低3年はかかる。つまり苗から7年経ってやっとワインが飲める。苗が元気に育つかが今後のワイン製造に影響を与える。7年後の事を考え仕込みを行う。

苗から始まる長い道のり

葡萄の枝を切って春にポットに植えると目が出て葉が出れば根が張ってきた証拠。秋になると1メートルくらいの高さになり地植えの用意が出来る。秋になって葉っぱが茶色くなると地植えを行い次の春にまた葉っぱが出て来る。やっと一年目の葡萄が育つ。葡萄の実を収穫できるにはあと3年かかる。カリフォルニア以外の寒い所では霜に気を付けて春に地植えするのが良い。

1年目の葡萄

1年目にどれだけ水を与えたら良いのか、土の水はけは良いか、そもそもこの苗は出来が良いのかなど成長を見ながら見定める。どこの世界でも出来のいい奴と悪い奴がいる。でも本人(苗)のせいなのか外部要因(土壌、日当たり、水の量など)なのか、考えて育てる必要がある。人の教育と同じである。木が成長するまで葡萄の実は必ず切り落とす。成長が早ければ3年目で多少収穫出来るか、4年目まで我慢する方が長期的に見て収穫量は増える。

春の息吹き

葡萄の木が大人になって正しく剪定を行うと春には必ず芽が出て来る。1.5年先の事を考えて剪定を行うべきと言われる程剪定は大切である。そうすると春には思った通りに新芽が出て来る。この頃が一番見ていて楽しい。既に花芽も付いていて秋の収穫の準備が出来ている。最初の3年間の正しい育て方で、その先数十年間多くの実を付けてくれる。

葡萄の花

葡萄の芽が出てから1か月程すると葡萄の花が咲く。決して美しくはないが、これを見つけると生き物の勢いが感じられる。葡萄は自家受粉で蜂など他人にアピールする必要はない。元気の良い葡萄は花芽が沢山付くので必要のないものは花が咲く前に切り取ってしまう。残酷だが繁栄の為には切り捨てが必要。それが自然界の掟である。

剪定

剪定は1.5年先の事を考えて行うべきと言われるが、葡萄の木を育てる中でもっとも大切な作業である。枝は混み過ぎていないか、何を切り捨てて何を残すかなど木の成長を最大にするために注意深く行う。単純に見える剪定はそれなりにしっかりとした考えて行う必要がある。

若い木で剪定を誤るとその後の生産量と葡萄の質に影響を与える。ビデオは3年たった木で今回の剪定が4年目以降の収穫に影響を与える。